作図補助機能とは
AutoCADには「作図補助機能」という、作図を簡単にするための設定があります。
例えば、水平・垂直などのまっすぐな線分を作図する時は「直交モード」という機能を設定します。
画面右下のステータスバーに、よく使う作図補助機能のアイコンを表示させておくことができます。
AutoCAD初心者の方から上級者の方まで、よくに使うものを紹介します。
よく使う作図補助機能


直交モード

直交モードは、マウスの動きを「水平・垂直」の角度に制限する設定です。アイコンの絵には、直角の印が描いていあるので覚えやすいでしょう。
キーボードの「F8」キーを押すことで、ON/OFFを切り替えることができます。

極トラッキング

水平・垂直だけではなく、15,30,45度などの角度でマウスの動きを制限するには「極トラッキング」の設定をします。極トラッキングのアイコンの絵は円に角が描いてあります。極トラッキングを使う場合は、事前にアイコンの絵を右クリックし、表示されたリストから制限したい角度設定にチェックを入れておきます。
キーボードの「F10」キーを押すことで、ON/OFFを切り替えることができます。

オブジェクトスナップ

作図した「線分」や「円」などの形のことを「オブジェクト」と言います。
オブジェクトには、「端点」や「中点」などの要素があり、他のオブジェクトとの位置合わせや、移動や複写の基準点として設定できる場所があります。作図したオブジェクトには場所は表示されていません。オブジェクトスナップの設定をONにした場合、マウスカーソルをオブジェクトに近づけると、緑色のスナップ点のマークが表示され、確実に点を選ぶことができます。
オブジェクトスナップのアイコンを右クリックして表示されたリストから、チェックを入れておくことで選びたい点を設定しておきます。
キーボードの「F3」キーを押すことで、ON/OFFを切り替えることができます。

AutoCAD初心者におすすめのスナップ点
スナップ点をたくさん設定しておけば作図がやりやすくなるかと言えば、そうでもありません。
AutoCADの初心者の方に、おすすめのオブジェクトスナップは次の5つです。
- 端点
- 中点
- 中心
- 四半円点
- 交点
端点

中点

中心

四半円点

交点

定常オブジェクトスナップと一時オブジェクトスナップ
先ほど紹介した「端点、中点、中心、四半円点、交点」の5つの他にも、いくつかのオブジェクトスナップ点があります。CADの操作に慣れてきたら、自分の使いやすいオブジェクトスナップを設定しておくと良いでしょう。
このように、前もって設定しておいたオブジェクトスナップのことを「定常オブジェクトスナップ」と言います。
定常オブジェクトスナップ以外のスナップを時々使いたいときもあります。その時は、1回だけ、オブジェクトスナップの設定をできる機能があります。それを「一時オブジェクトスナップ」と言います。
キーボードのシフトキーを押したままマウスの右クリックをした時に、オブジェクトスナップのリストが表示されます。使いたいオブジェクトスナップを選ぶと、選んだ時だけそのオブジェクトスナップを設定できます。とても便利なので、慣れてきたらぜひ使えるようにしましょう。

オブジェクトスナップトラッキング

オブジェクトスナップトラッキングの設定をONにすると、他のオブジェクトを基準にガイド線が表示されます。
キーボードの「F11」キーを押すことで、ON/OFFを切り替えることができます。

その他の作図補助機能
これまで紹介した以外にも、便利な作図補助機能もあります。
画面右下の三本線アイコンを右クリックすると、作図補助機能のリストが表示されます。リストにチェックを入れたものは、ステータスバーにアイコンが表示されます。

最後に
慣れるまでは、使い方が難しいかもしれませんが、この作図補助機能を使いこなすことで、操作のスピードがぐんと速くなることは間違いありません。アイコンをクリックするだけでなく、慣れたらぜひキーボードからファンクションキーを使って操作してみてください。
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