この課題図を作図するときのポイントについて説明します。
※練習問題課題図の番号は、建築CAD検定試験の開催回数とは無関係の通し番号です。
118B 通り芯・寸法・通り芯記号
※この課題図の参考図と完成図は、2025年度版過去問題集に掲載されています。
参考図を見ながら作図し、図のような完成図に仕上がりました。
この完成図は、個人的に作図したものです。そのため、必ずしも完璧な１００点満点の解答ではない能性があることをご了承ください。まなお、著作権などの関係により、参考図の掲載は控えさせていただいております。正式な参考図や完成図については、公式の過去問題集や公式ガイドブックをご確認いただければと思います。
AutoCADでの作図手順
- 通り芯（とおりしん）を一点鎖線で描く
- 寸法を記入する
- 通り芯記号（X1やY1など）を配置する
- 基準の円を描く
作図のコツ・ポイント
- 最初に描く線を迷ったときは…
水平（よこ）や垂直（たて）の線を探して、そこから描き始めましょう。 - 斜めの通り芯を描くときは…
角度寸法が無いときは、**距離（長さ）**をもとに描きます。 - 円弧（えんこ）がある場合は…
円弧の中心の位置を正しく見つけるのがポイントです。 - 通り芯が斜めになっているときは…
通り芯記号の文字も通り芯と同じ角度に合わせましょう。
では、詳しく説明していきましょう
作図の流れ（詳しく解説）
① 長方形で基本の枠を描く
通り芯は線分なのに、どうして長方形コマンドを使うのか？って思いますよね。これは、時短のためです。詳しくは、次の説明からよく読んでくださいね。
まず、通り芯の中で一番長い部分を目安に、長方形コマンドを使って外枠を描きます。その後、描いた長方形を外側に約500オフセットします。ここがポイントです。
② 線を分解し、延長する
描いた長方形のうち、最初に描いたものを**「分解（explode）」**して、**延長コマンド（extend）**でオフセットした長方形まで延長します。オフセットは、線分を延長する為の境界として作図したんです。あとで境界として描いた長方形を削除すると、きれいに交差した通り芯ができあがっていますよ。
③ オフセットで水平・垂直の通り芯を描く
オフセットコマンドを使って、通り芯を等間隔にコピーしていきます。
④ 斜めの通り芯を描く
斜めの通り芯は、図を見ながら始点と終点を確認して描きます。基準マークがついてるのでよく見ましょう。
⑤ 円弧を描くときのポイント
円弧の中心は、**「基点設定（Shift + 右クリック → 基点設定）」**を使いましょう。これを使うと、クリックしたところから相対距離で描き始める点を指定できるので、時短になります。
どの描き方の円弧アイコンを使えばいいか迷ったら、いったん「円」で描いてトリムすると簡単です。
その後、必要に応じて端を延長しましょう。
⑥寸法を記入する
- 寸法は、専用の画層に設定してから描くと管理しやすいです。
- 寸法値の位置を決めるときは、**コンパスのように「円コマンド」**を使って距離をとると便利です。
- 寸法線をつなげて並べるときは、**「直列寸法（連続寸法）」**を使うと効率よく描けます。
- 円弧の半径寸法の端末記号が見本と違っていても、減点されることはありません。気になる場合は**「プロパティ管理」**で形を変更しましょう。
⑦通り芯記号を配置する
- 記号（X1やY1など）は、通り芯の延長線上に配置し、文字の中心と通り芯の中心を合わせるようにしましょう。
- ひとつ描いたら、複写（copy）して文字だけ変更すると効率的です。
- 通り芯の傾きに合わせ、文字も傾斜させてください。文字が傾斜していないと減点されてしまいますので、必ず合わせるようにしてくださいね。
↓参考になる通り芯記号の描き方動画もあります。
⑧最後に、基準円を描く
通り芯の交点にある「基準円」は、最後の見直しのときに描くのがおすすめです。（もちろん、最初に描いても問題ありません。）
仕上げの確認ポイント
- 寸法補助線の長さや、配置のバランスをしっかりチェック！
- 通り芯は参考図通りに、必ず交差させること
- 寸法を入れた後に図全体を移動すると、寸法値の位置がずれることがあるので注意してください。
→ 位置調整が必要な場合は、図枠を移動すると安全です。
（データ内の図枠の位置は評価に影響しません）
この記事の内容に沿って、落ち着いて作図してみてください。
慣れないうちは時間がかかっても大丈夫。何度か描いていくうちに、自然とスムーズに手が動くようになります。
なお、寸法値がズレたときの修正方法の動画もありますので、よかったら参考にしてみてください！
118B練習課題図について
ここで紹介した過去問題は、2025年度版建築CAD検定試験公式過去問題集に掲載されている３級問題の参考図・完成図で練習することができます。
今回紹介した図面は、残念ながら2025年度版建築CAD検定試験公式ガイドブックに掲載されていませんが、類似問題もたくさんありますのでぜひチェックしてみてください。
