この課題図を作図するときのポイントについて説明します。
※練習問題課題図の番号は、建築CAD検定試験の開催回数とは無関係の通し番号です。
119C 柱・壁・間仕切壁
※この課題図の参考図と完成図は、2025年度版過去問題集に掲載されています。
参考図を見ながら作図し、図のような完成図に仕上がりました。

この完成図は、個人的に作図したものです。そのため、必ずしも完璧な100点満点の解答ではない能性があることをご了承ください。まなお、著作権などの関係により、参考図の掲載は控えさせていただいております。正式な参考図や完成図については、公式の過去問題集や公式ガイドブックをご確認いただければと思います。
AutoCADでの作図手順
今回は、時短テクニックを交えながら、AutoCADで傾斜した長方形の壁芯から建物の柱・壁・間仕切り壁までを作図する手順をご紹介します。

✅ 時短ポイント
- 壁芯を傾斜した長方形で一気に作図
- 壁をマルチライン(MLINE)で効率的に描画
🛠 作図の順番
- 壁芯を一点鎖線で作図
- 柱を配置
- 壁を作図(マルチライン)
- 間仕切り壁の作図
それでは、詳しく説明していきましょう
🔹 壁芯(芯線)の作図
長方形コマンドを使って、傾斜した長方形を作図します。
→ 作図中に**回転角度(Rotation)**を指定することで、斜めの長方形が描けます。

作図した長方形を**分解(EXPLODE)**して、辺ごとに線として扱えるようにします。
※傾いた長方形の描き方は、こちらの動画で説明しています。
辺の線分をオフセットして、壁の厚み分を確保します。

一方の辺からオフセットしたら、交点を基準にして右側の壁芯も同様に描きます。

それぞれの線を**延長(EXTEND)または長さ変更(LENGTHEN)**して、交点がきちんと交差するように調整します。

ここまで実線で描いていた場合は、ここで芯線を、一点鎖線(中心線)に変更します。
🔹 柱の作図

柱も長方形コマンドで作図します。
最初の柱を図面の基準芯に合わせて作図し、**複写(COPY)**で他の位置にも配置します。
→ 右側の柱は同じ角度で複写可能です。
→ 左側の柱は角度が異なるため、新たに作図してから複写しましょう。
🔹 壁の作図(マルチライン)

壁は**マルチライン(MLINE)**で描きます。
作図前に次の設定を確認します:
- S
(尺度):壁の厚みを設定
- J
(位置合わせ):芯・内側・外側 など、基準を設定
作図後、必要に応じて**延長(EXTEND)やフィレット(FILLET)**を使用して、線をつなげます。
→ **分解(EXPLODE)**してからでないと、フィレットやトリムがうまく機能しません。
下側の大きいフィレットは、オフセットして作成すると簡単です。
不要になった一点鎖線を**非表示(LAYOFFなど)にして、柱の内側の線をトリム(TRIM)**で整えます。
🔹 間仕切り壁の作図

間仕切壁も同じくマルチラインで描きます。
尺度や位置合わせを設定してから、指定の位置に作図します。
不要な部分はトリムで削除します。
→ トリム前に**分解(EXPLODE)**が必要な場合があります。
✅ 最後に:全体をチェック!

図面全体を見直して、線のズレや不要な線がないか確認しましょう。
描いた図のレイアウトも建築CAD検定試験3級の評価対象です。しっかり見直すことがポイントです。
作図手順を動画で確認したいかたは、こちらからご覧ください。
119C練習課題図について
ここで紹介した過去問題は、2025年度版建築CAD検定試験公式過去問題集に掲載されている3級問題の参考図・完成図で練習することができます。
残念ながら2025年度版建築CAD検定試験公式ガイドブックに掲載されていませんが、類似問題もたくさんありますのでぜひチェックしてみてください。