これまでの練習で、
- 線分コマンドで線を描く
- 長さを入力する
- 直交モードでまっすぐな線を描く
- オブジェクトスナップで正確につなぐ
という基本操作を学んできました。
今回は、AutoCADでよく使う「長方形コマンド」をやっていきましょう。
実は、長方形はこれまで学んだ線分コマンドだけでも描くことができます。しかし、長方形コマンドを使うことで、より簡単に、そして素早く作図できるようになります。
また、見た目は同じ長方形でも、
- 線分コマンドで描いた長方形
- 長方形コマンドで描いた長方形
では、AutoCADの中での扱いが少し異なります。
今回はその違いも含めて確認していきましょう。
長方形コマンドとは?
長方形コマンドは、その名のとおり長方形を作成するための専用コマンドです。
線分コマンドの場合は4本の線を順番に描く必要がありますが、長方形コマンドなら2点を指定するだけで長方形を作成できます。
建築図面では長方形を描く機会が非常に多いため、早めに覚えておくと作業効率が大きく向上します。
自由なサイズの長方形を描いてみよう
まずはサイズを指定せず、自由な大きさで長方形を描いてみましょう。
長方形コマンドを開始すると、画面下のコマンドラインに操作の指示が表示されます。
操作はとてもシンプルです。
- 1点目をクリック
- マウスを斜め方向へ移動
- もう一度クリック
これだけで長方形を描くことができます。
最初に指定した点と、次に指定した点が対角線の位置となり、その範囲に長方形が作成されます。
サイズを指定して長方形を描く方法
建築図面では、正確な寸法で作図することが重要です。
そのため、長方形コマンドでは数値を入力してサイズを指定する方法も覚えておきましょう。
例えば、
- 横40
- 縦30
という長方形を描きたい場合、ダイナミック入力を利用すると簡単に作図できます。
ダイナミック入力とは?
長方形コマンドを実行して1点目をクリックすると、カーソル付近に数値入力用のボックスが表示されます。
これをダイナミック入力と呼びます。
ダイナミック入力を使うことで、コマンドラインを見なくても画面上で直接寸法を入力できます。
もし表示されていない場合は、画面下部にある「ダイナミック入力」をONにしてみてください。
TABキーを使って数値を入力する
長方形コマンドでサイズを指定するときに重要なのがTABキーです。
最初に横方向の寸法を入力したあと、TABキーを押すことで次の入力欄へ移動できます。
基本的な流れは次のとおりです。
- 横方向の寸法を入力
- TABキーを押す
- 縦方向の寸法を入力
- Enterキーで確定
これで指定したサイズの長方形を作成できます。
初心者がよくするミス
長方形コマンドを使い始めたばかりの頃は、
TABキーを押し忘れる
というミスがとてもよくあります。
横方向の寸法を入力したあと、そのままEnterキーを押してしまうと、思った通りに作図できません。
「うまく長方形が描けない」
というときは、TABキーで入力欄を切り替えたか確認してみましょう。
数値入力がうまくいかないときは入力モードを確認
以前の記事でも紹介しましたが、AutoCADで数値入力を行う際は、Windowsの入力モードを「直接入力」にしておくことをおすすめします。
タスクバーの表示が
A(半角英数)
になっている状態です。
日本語入力モードのまま作業すると、数字入力が正しく認識されず、思わぬトラブルの原因になることがあります。
マウスを動かす方向で長方形の向きが変わる
長方形コマンドでは、最初の点を指定したあとにマウスを動かす方向によって、長方形が作成される向きが変わります。
例えば、
- 右上方向へ動かす
- 左上方向へ動かす
- 左下方向へ動かす
- 右下方向へ動かす
など、どの方向にも長方形を作成できます。
同じ寸法でも配置する位置によって向きが変わるため、実際にいろいろな方向で試してみると理解しやすいでしょう。
線分コマンドでも長方形は描ける
もちろん、これまで学んできた線分コマンドでも長方形を描くことは可能です。
例えば、
- 横線を描く
- 縦線を描く
- 横線を描く
- 始点へ戻って閉じる
という手順で長方形を作成できます。
直交モードやオブジェクトスナップを活用すれば、正確な長方形を描くことも難しくありません。
長方形コマンドと線分コマンドの違い
見た目は同じ長方形でも、AutoCADの中では少し違うデータとして扱われています。
長方形コマンドで描いた場合
長方形全体がひとつの図形として扱われます。
クリックすると、長方形全体がまとめて選択されます。
線分コマンドで描いた場合
4本の線の集合として扱われます。
そのため、クリックすると辺ごとに個別選択されます。
今は違いを知っていればOK
現段階では、
「長方形コマンドで描いた図形と、線分コマンドで描いた図形は扱いが少し違う」
ということだけ理解できていれば十分です。
今後さらに学習が進むと、この違いが役立つ場面が出てきます。
動画解説
練習用PDF
動画と一緒に操作したい方は、こちらのPDFをご利用ください。
まとめ
今回は、AutoCADの長方形コマンドについて学びました。
ポイントを整理すると、
- 長方形コマンドを使うと素早く長方形を描ける
- ダイナミック入力でサイズを指定できる
- TABキーで入力欄を切り替える
- 長方形コマンドと線分コマンドでは図形の扱いが異なる
という内容でした。
長方形は建築CAD検定でも頻繁に登場する基本図形です。
最初はTABキーの操作に戸惑うかもしれませんが、何度か練習すると自然に使えるようになります。
ぜひ実際に長方形を描きながら操作に慣れていきましょう。
次回予告
次回は、長方形をさらに活用しながら、建築図面でよく使う円の描き方を練習していきます。
少しずつ作図の幅が広がり、CADらしい操作が増えていきますので、一緒にステップアップしていきましょう。

